フクロウのモニタリングについて

 谷戸沢処分場では、処分場の造成が始まる以前からフクロウの生息が確認されていました。このため、処分場の敷地内に大型巣箱を設置し、森林生態系の上位に位置するフクロウの生活を観察することで、処分場が外部環境に対し影響を与えていないことを確認しています。

 フクロウは国内各地の里山や森の中で見られる大型の猛禽類(フクロウ目)で、猛禽類は生態系ピラミッドの頂点に位置する肉食の鳥類です。このフクロウが生息、そして繁殖活動が行えるという環境は、彼らの生活を支える「礎(いしずえ)」がその地にあること、つまり、生態系の豊かさや、多くの生き物がその場所にいることを、フクロウの「存在」をもって示してくれます。

 谷戸沢処分場の巣箱では、平成28年に、大型巣箱の設置後、初めて抱卵が確認され、その後2羽のヒナが無事に巣立ったことを皮切りに、以後多くの年でフクロウの抱卵とヒナの巣立ちが観察されています。

モニタリングのサイクル

 毎年、組合では秋に大型巣箱の点検を行っています。大型巣箱は大きく、重量があるため、上げ下ろしの際は、大人が大人数で安全に注意しながら実施をします。大型巣箱を下ろした後、内部カメラの点検と清掃、巣材のバークチップの入れ替えを行い、フクロウの観察がしやすいよう準備を整えます。フクロウが使用した巣材は、大学に提供し猛禽類の研究に役立てています。
 1月頃から、フクロウがつがいで大型巣箱の様子を見に来るようになります。多くの場合、時間帯は夜で、1羽が内部に入り、座り心地を確かめ、外にいるもう1羽と鳴きかわしてコミュニケーションしている様子が観察できます。

▲大型巣箱上げ下ろしの様子

フクロウの産卵とヒナの誕生から巣立ちまで

 3月を過ぎると、雌フクロウが大型巣箱内で産卵をし、抱卵を始めます。雄フクロウは抱卵中の雌フクロウのために餌を運んできます。約1か月ほどで卵が孵化し、白い毛で覆われたヒナが誕生します。雌フクロウとヒナは寄り添いあって巣箱の中で過ごしますが、ヒナが成長してくると雌フクロウも巣箱から出て、ヒナのために巣箱に餌を運んできます。誕生から約1か月ほどでヒナの体毛は灰色に変わり、5月頃になると、ヒナは巣箱から出て、谷戸沢の森へ巣立っていきます。巣立ったヒナたちは、しばらくは上手く飛ぶことや餌を取ることはできません。巣立ち後、約3ヶ月程度は親フクロウと一緒に暮らします。

▲フクロウの親と真っ白なヒナ

▲巣立ち前のヒナ

大型巣箱は人気物件??

 フクロウが利用する大型巣箱は、実はフクロウだけが利用するだけではない人気物件(?)のようです。フクロウが巣箱に入っていない時期には、ムササビがよく巣箱を利用しています。巣箱を気に入るとムササビは毎日のように日中に巣箱で寝ている様子が観察できるほか、巣箱内での出産や子育ての様子を観察できることもあります。大型巣箱では、フクロウの子育てのほかにも、こうした自然の摂理が観察できます。

▲巣箱に入ったムササビ