平成11年度 谷戸沢処分場の水質等調査結果について(概要)

平成11年度 谷戸沢処分場の水質等調査結果について(概要)

東京都三多摩地域廃棄物広域処分組合

平成11年度の谷戸沢処分場関連の水質や大気等の調査結果の概要である。
平成11年度を通じ、問題となるような結果はなく、安全性が改めて確認された。

水質の検査結果
1.浸出水原水(ごみの層を通った水)

ひ素が微量に検出された月(1月と3月に0.006mg/L)はあったが、日の出町や地元と約束している公害防止協定の基準値(0.3mg/L)を大きく下回っていた。その他の有害性重金属等は検出されず、問題はなかった。

また、生物化学的酸素要求量(BOD:有機物の量をみる一つの指標)が減少し、全窒素(基準はない)の濃度が上昇する傾向がみられた。これは、埋立終了や最終覆土層施工に伴って、分解しにくい窒素は減少していないものの、廃棄物から洗い出される有機物量が減少しはじめたものと考えられる。

八戸沢処分場浸出水原水

2.下水道放流水(浸出水を処理した後、下水道に放流している水)

上記のように浸出水の水質が変化したため、浸出水を処理する過程で、微生物による窒素及び有機物の処理能力が一時的に低下し、3月に下水道放流水の全窒素、生物化学的酸素要求量(BOD)及び化学的酸素要求量(COD)(BOD、CODとも有機物の量を示す指標)が上昇傾向を示した。ただし、下水道へ放流するための基準を十分に下回っている。

平成11年度を通じ、カドミウムなどの有害性重金属は検出されないなど、下水道へ放流するための基準を十分満足している。

3.防災調整池(埋立地外や最終覆土表面の雨水が集められる防災用の池)

平成11年度を通じ、有害性重金属などは検出されず、水質汚濁に係る環境基準(水質環境基準:年間平均値で評価する)を満足した。

4.地下水集排水管水・地下水管2(埋立地内の地下水)

地下水集排水管水と地下水管2は、12月以降、電気伝導率(基準値はない。処分場からの影響をみる指標としている)が上昇傾向にあったものの、いずれの地下水からも、カドミウムなどの有害性重金属は検出されないなど、水質環境基準を満足した。なお、毎年、渇水期には電気伝導率が上昇する傾向がある。また、これらの地下水は全量を水処理してから、下水道に放流しているため、周辺環境に影響を及ぼすものではない。

5.モニタリング井戸及び周辺井戸(処分場内1本と周辺の9本の井戸)

一部の井戸で、一般細菌、大腸菌群、鉄などが検出されたが、井戸周辺の土地利用状況や地質の影響等を受けたと考えられる。

有害性重金属などは検出されず、水質には問題はなかった。

6.本設モニタリング井戸(埋立地を取り囲むように設置されている10本の井戸)

平成11年度を通じ、地下水の水質環境基準や指針値を下回っていた。

平成11年度に、1本の井戸からひ素(0.007mg/L、水質環境基準は 0.01mg/L)が、7本の井戸からフタル酸ジ-2-エチルヘキシル(0.0006~0.0186mg/L、指針値 0.06mg/L)が、8本の井戸からニッケル(0.001~0.006mg/L、水質環境基準はない)が検出されたが、基準値等を下回っていた。この他の安全性を確認する項目の化学物質は、全て検出されなかった。

また、井戸が掘削された所の地質の特性を受け、イオン成分の濃度に違いはあるが、これらの井戸の水質には問題はなかった。

7.下流部調査(処分場の下流部の99本の井戸(観測孔))

塩化物イオン濃度(基準はない。処分場からの影響をみる指標としている)が、10mg/Lを超えた観測孔は、平成11年度上半期は13本、下半期は6本であり、安定化傾向を示した。(平成10年度は19本であった)

このように、処分場の下流部の井戸が安定化していることから、処分場より下流部の地下水には影響を与えていないことが推定できる。

発生ガス、大気等水質以外の検査結果
1.凝集沈殿汚泥溶出試験(浸出水処理施設で発生する汚泥の溶出試験)

ひ素(0.005~0.017mg/L)が検出されたが、基準値(0.3mg/L)を大きく下回っていた。他の金属等は検出されなかった。

なお、この汚泥は二ッ塚処分場内に埋立てており、周辺に影響を及ぼすことはない。

2.発生ガス、悪臭調査

アンモニア、一酸化炭素などが検出されたが、公害防止協定の基準値を下回っていた。悪臭は、臭いが感じられない濃度(10以下)であった。

3.騒音・振動

騒音は、セミのなき声が原因で、8月の朝と昼に基準値(50dB:静かな事務室内が目安)を超える場合があった。この他の騒音はいずれも基準を下回った。

振動は、いずれも基準値を下回り、人が感じられないレベル以下であった。

4.大気質(二酸化いおう・一酸化炭素・浮遊粒子状物質・二酸化窒素)

浮遊粒子状物質(大気中に浮遊している0.01mm以下の微粒子で、ディーゼルエンジンなどから排出される)は、8月28日(土)に、一日平均値が基準値(一日平均値 0.10mg/立方メートル)を超えた(0.109mg/立方メートル及び0.115mg/立方メートル)が、この日は多摩地域全体で同様の傾向にあった。また、8月30日(月)に、一日の最大値が0.715mg/立方メートル を示したが、午後7:00からの1時間のみで、虫が測定器の中に混入したことが考えられる。

なお、谷戸沢処分場では埋立が終了しているため、これらは処分場からの影響とは考えられない。

その他の大気質については、いずれも基準値や平成10年度東京都の調査結果を下回っていた。

5.底質(川、池等の水底の岩や堆積物のこと)、土壌

通常の土壌のレベルで、土壌等の汚染は見られなかった。


以上、処分場内や周辺の水質、大気、土壌等の数多くの調査結果から、問題となるような結果はなく、周辺環境に影響を及ぼしていないことが確認された。

また、技術委員会(廃棄物分野で著名な学識経験者により構成されている委員会)で、特段の問題はないと評価されたものである。

なお、検出されないとは、それぞれの化学物質ごとの定量下限値(数値が定量できる最低のレベル)未満のことをいう。

調査結果の詳細は、「谷戸沢処分場の水質等調査結果について(平成11年度)」に登載。