すでに確定した裁判

9. エコセメント化施設建設(操業)差止請求訴訟

裁判名

エコセメント化施設建設(操業)差止請求訴訟
原告(債権者) S氏ほか48名
被告(債務者) 循環組合
提訴日 平成15年4月15日
請求内容 エコセメント化施設の建設(操業)差止
相手方の主張 エコセメント化施設の建設及び操業は、周辺環境を汚染する。
循環組合の主張 エコセメント化施設は、周辺環境を汚染するものではない。
訴訟の経緯 平成15年9月29日、循環組合は口頭弁論期日において、エコセメント化施設は周辺環境を汚染するものではないとの主張・反論を行った。
平成17年2月、裁判所に対し被告及び原告によりエコセメント化施設の説明会が行われた。その後、裁判所の制度を活用した専門委員を審理に加え、専門家を交えた協議を行った。
平成18年7月、エコセメント化施設が本格稼働したことから、実測データの提出を行った。
平成18年9月25日、エコセメント化施設の完成に伴い、請求の趣旨を「建設差止」から「操業差止」に変更した。
平成22年11月15日、裁判所によるエコセメント化施設の視察が実施された。
平成23年3月と4月に原告証人尋問、5月に被告側証人尋問が行われた。
平成23年9月5日、最終弁論が行われ結審した。
平成23年12月26日、東京地方裁判所立川支部は、エコセメント化施設が周辺環境に影響を及ぼしていないことを認定し、原告らの請求を退ける判決を言い渡した。
判決概要 [判決主文]
原告らの請求をいずれも棄却する。
[判決要旨]
  1. 本件施設の操業が有害物質を発生させ、原告らまたはその子孫の生命・身体の安全を損なう高度の危険があるとは認められないことから、人格権に基づく本件施設の操業差止請求の理由には当たらない。
  2. エコセメント化施設が焼却残さを原料とする施設であることで、原告らの平穏に日常生活を送るという利益を侵害するものであるとしても、その侵害は社会生活上受忍すべき程度の範囲内にあるというべきである。
その他 平成23年12月28日、原告らの一部は、この判決に対して東京高等裁判所に控訴した。

 

裁判名 エコセメント化施設操業差止請求訴訟控訴審
原告(債権者) S氏ほか9名
被告(債務者) 循環組合
提訴日 平成23年12月28日
請求内容 エコセメント化施設の操業差止
相手方の主張 エコセメント化施設の操業は、周辺環境を汚染する。
循環組合の主張 エコセメント化施設は、周辺環境を汚染するものではない。
訴訟の経緯 平成24年5月17日の第1回弁論から平成26年9月18日の最終弁論(結審)まで、合計11回の口頭弁論が開かれた。この間、平成25年7月には原告側・被告側双方のプレゼンテーション、平成26年2月には原告側本人尋問が行われた。
原告側は、第一審判決の認定した事実・理由を不服とするほか、新たに東日本大震災により起きた福島第一原発事故により大気中に放出された放射性物質を含む焼却残さが、エコセメント化施設に搬入され、施設の稼働により濃縮されて排ガス・排水として周辺に放出されることを主張した。
平成27年3月26日、東京高等裁判所は、原告側が追加して主張したことを含め、エコセメント化施設が周辺環境に影響を及ぼしていないことを認定し、原告側の控訴を棄却した。
判決概要 [判決主文]
本件控訴を棄却する。
[判決要旨]
  1. 2. 以下に記載するほか、第一審判決の認定した事実及び理由のとおり。
  2. エコセメント化施設は、放射性物質汚染対処特別措置法その他の法令を遵守して運営されており、少なくとも、環境省ガイドラインの検出限界値を更に相当下回る放射能濃度を超える放射性物質を周辺の環境に放出して拡散していると認めることはできない。
  3. 控訴人らによる空間放射線量率、土壌表層放射能の密度等の測定結果は、エコセメント化施設から放出された放射性物質によるものと認めるのは困難である。
  4. エコセメント化施設からごく僅かの放射性物質が放出されているとしても、現時点では、持続する低線量の被曝によって控訴人らの生命又は健康に疾病等を生じ、又は将来生じる蓋然性のあるような現実的な危険があるレベルの放射性物質が放出されていると認めるのは困難である。
  5. 控訴人らが、エコセメント化施設の操業により精神的な不快感や不安感を抱いているとしても、そのような不快感や不安感を理由とする差止請求権を認めることは困難であり、操業を差し止めることはできない。
その他 平成27年4月6日、控訴人(原告)らの一部は、この判決に対して、最高裁判所に上告・上告受理申立の提起を行った。

 

裁判名 エコセメント化施設操業差止請求訴訟上告審
原告(債権者) S氏ほか1名
被告(債務者) 循環組合
提訴日 平成27年4月6日
上告理由 控訴審判決には、憲法違反、理由不備、理由齟齬、判例違背、法令解釈の誤りがある。
訴訟の経緯 平成27年8月26日
高裁から最高裁へ事件記録送付
平成28年2月24日
最高裁判所は、本件上告理由は民事訴訟法第312条1項又は2項に規定する事由に該当しないこと及び民事訴訟法第318条1項により受理するものとは認められないことから、上告人の請求を棄却する決定をした。
決定概要 [決定主文]
本件上告を棄却する。
本件を上告審として受理しない。[組合勝訴]